2004年『こひつじ文庫』ここに注目!!

「まりーちゃんとひつじ」めだか4月 岩波刊
表題の絵本は1951年アメリカで出版され、日本でも1956年に翻訳されていますから、50年に渡って子どもたちに愛され続けていることになります。全部で5作ある「まりーちゃん」シリーズのうち、この絵本にはもう一作「まりーちゃんのはる」が収められています。まりーちゃんは羊のぱたぽんが子羊を産んでくれたらいいのにと期待し、その数が増えるごとに夢は膨らむ一方。それに対し、ぱたぽんは無欲で現実的。その二人の掛け合いがリズミカルに歌うように繰り返されるのが、この絵本の魅力。勿論、愛らしい人形のような絵も素敵です。「こひつじ文庫」の名前にピッタリの一冊。
「こぶたたんぽぽぽけっととんぼ」めだか9月 
こぐま社刊
 馬場のぼるのしりとり絵本シリーズ第3弾。1990年の発行です。今、ことばあそびが注目されています。子どもはしりとりが大好き。それを絵本で展開すると、絵が読めるので楽しみが倍増。今回も奇想天外なストーリーが待っています。最初に出てくるのが、ぶた・たぬき・きつね・ねこ。一作目のタイトルと同じなので、あれっと思われるかもしれませんがよく見るとみんなお母さん。それもどこかへ旅行に出かける様子。次のページで、こぶたが登場し、まめだぬき・こぎつね・こねこと一緒に、いろんな遊びをします。最後にお母さんたちが戻ってきて、みんなおんぶされて帰ります。お母さんの背中は、安心できる場所として、幼い読者の共感を得るでしょう。
「だるまちゃんとてんぐちゃん」 くじら4月
 福音館書店刊 -加古里子・文/絵 
だるまちゃんシリーズは、子どもたちに大人気。現在6作出版されていますが、この絵本は1967年の第1作目。40年近く愛されているのです。加古さんの絵は懐かしさを感じさせ
ますが、子どもの目には新鮮に映るのかもしれません。だるまちゃんは、てんぐちゃんの持ち物が羨ましくて、お父さんのだるまどんにおねだりします。だるまどんは的外れなものばかり集めてきますが、そのやりとりをしている二人の表情には、思わず笑ってしまいます。だるまちゃんはそれを、次のページで見事に解決しますが、必ず前のページにそのヒントが描かれています。細かい描き込みが多い絵本ですが、子どもにとってはそれが最大の楽しみなのです。
「王さまと九人のきょうだい」 くじら3月 岩波刊 
中国の民話 君島久子・訳 赤羽末吉・絵
1969年に出版され、長く読み継がれてきた人気絵本。この二人のコンビでは、他に1976年に出た「ほしになったりゅうのきば」(福音館書店)が有名です。
兄弟の力を恐れた王様が、あらゆる手立てで殺そうと試みますが、九人は夫々の特徴を生かし、困難を切抜け、逆に王様を滅ぼすという豪快で、痛快なお話。中国には「シナの五にんきょうだい」を始め、各地に類話があるようです。赤羽さんの絵が、またダイナミックで楽しい。九つ子の赤ち
ゃんの絵は、よく見ると夫々の特徴を工夫して描いています。
表紙の顔も全部同じようで、寒がり屋と暑がり屋だけはわかる
ようになっています。変わった名前も子どもの喜ぶところ。
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